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【アニメ】ジョジョの奇妙な冒険 第5部 黄金の風 最終話 感想

ジョジョの奇妙な冒険 第5部 黄金の風

Episodio 39 眠れる奴隷

 

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いや、『眠れる奴隷』のエピソード、

めちゃめちゃ素晴らしかった。

 

前にも書いた通り、自分は第5部で好きなのは vs. チョコラータ&セッコ 戦 までで、ラストバトル〜眠れる奴隷 は 全然好きじゃなかった。どころか、第3部からここまでずっとぶっち切りで絶頂の面白さを維持してきたのに、どうして最後こんな終わり方になっちゃったのかな〜と、すごく残念にさえ思っていた。

 

ところが、今回改めて見て、年齢を重ねたからなのか、アニメになったからなのか、めちゃくちゃ素晴らしいエピローグだと思ってしまった。

 

 

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特にこの3人が会話をしている場面で、ピアノの曲が静かに穏やかに流れているのが本当もう最高。

 

正にザ・王道少年漫画!って感じの熱い最終決戦で締め括られた3部、4部と比較すると、この不思議で穏やかで少し寂しげな前日譚で締め括られるというのが、5部ならではって感じでディ・モールト・ベネ。

 

年齢を重ねたからなのか、「このエピソードがある」ってことを知った上で見ることができたからなのか、ようやく、自分もこのエピローグの良さがわかるようになったんだなぁ。

 

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5人もいたブチャラティチーム。

そのうち1人は道を違え、3人は死に、残ったのはミスタたった1人だけ。

そんな運命をまだ知らない彼らの、何気ない日常のやりとり。

それが、たまらなく切ないよなぁ。

 

 

眠れる奴隷 について

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さて、このエピローグ『眠れる奴隷』には、一体どんな意味があったのか。

この記事が非常によくまとまっているので、興味がある人は読んでみるといいです。

正直言って、ジョジョ第5部を単なるバトル漫画、第3部や第4部と同じように手に汗握るスタンドバトルの応酬ッ!って楽しみ方をしてきた人にとって、このエピローグは蛇足でしかないです。

そして、それでもいいと思います。それも一つのジョジョの楽しみ方です。

 

でも、第5部は、3部4部と違い、作品全体に一つの一貫したテーマを持っています。

それが、

「運命は変えられないものだとしたら、人の生き方に意味はあるのか?」

というものです。

 

どんなに頑張ったって結果が変わらないとしたら、頑張ったって意味ないんじゃないの?

過程に意味なんてないんじゃないの?

 

このテーマは、主人公とラスボスの最後のスタンド能力にも現れています。

過程を消し飛ばし、自分に都合のいい結果だけを残す『キング・クリムゾン

結果を消し飛ばし、過程だけを永遠に繰り返させる『ゴールド・E・レクイエム』

 

そして、この問いに作者なりの答えを出したエピソードが2つ。

 

一つ目が、アバッキオの最期を描いた、

『今にも落ちてきそうな空の下で』

この話の中で、名もなき警官が言う言葉、

「そうだな… わたしは「結果」だけを求めてはいない。「結果」だけを求めていると、人は近道をしたがるものだ………。近道した時、真実を見失うかもしれない。やる気もしだいに失せていく。大切なのは、『真実に向かおうとする意志』だと思っている。向かおうとする意志さえあれば、たとえ今回は犯人が逃げたとしても、いつかはたどり着くだろう?向かっているわけだからな。…………違うかい?」

目先の結果に一喜一憂していると、確かに変えられない運命に生きる気力をなくしてしまうかもしれない。でも、向かっていく意志を持ち続ければ、大局的に見ていつかは目指しているものに辿り着ける。という話。

 

そしてもう一つが、この『眠れる奴隷』

ブチャラティの悲惨な死は、決定付けられた運命だった。どころか、それをミスタが無理矢理捻じ曲げようとしたことで、ブチャラティの死の運命は変わらないばかりか、アバッキオナランチャの死の運命まで決まってしまった。

ミスタは、「ブチャラティアバッキオナランチャの死」という結果を変えることはできなかった。

 

じゃあ、ミスタのやったことは無意味なことだったのか?

 

そうではないことは、この物語を最後まで見届けた視聴者は全員知っている。

ブチャラティアバッキオナランチャの遺志は、残った者たちに受け継がれ、トリッシュを救い、ディアボロという巨悪を倒し、矢をジョルノという正しい者に受け渡し、結果としてイタリアという国に住む大勢の人を救うことになる。

 

もしブチャラティがあそこで安楽死していたら、もしくは運命が変わらずブチャラティヴェネツィアでそのまま死んでいたら、トリッシュは殺され、ディアボロという巨悪は世に蔓延ったままだった。

ミスタのやったことは、確かに大きな意味を持つ行動だった。

だけど、そんなこと、そのときのミスタが知る由もない。

 

「運命は変えられないものだとしたら、人の生き方に意味はあるのか?」

その問いに対する作者の答えは、こうだ。

「たとえ結果という運命が変えられないとしても、その過程で必死にもがき、懸命に生きる姿は、誰かに何か大きな影響を与える、大きな意味のあるものなんだ」

それを描いたのが、まさにこのエピローグ『眠れる奴隷』なのである。

 

 

さて、そんな大きな意味を持つエピローグ『眠れる奴隷』も最高の形でアニメ化してくれて、もはや言うことなしですわ。

 

ちなみに、今回の39話、Huluで見ると、テレビでは流れなかった SE付きの最後の特殊OP を見ることができます。

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めちゃめちゃかっこいいので、是非ご覧あれ。

 

 

EDは、予想通り、『ゴールド・E・レクイエム』に変化しましたね!

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そしてラストシーン

 

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いや、もう、言うことないっすわ。

 

ディ・モールト・ベネ!

 

10ヶ月間、本当に楽しませていただきました。

制作陣のみなさん、本当に本当に心からありがとうございました!

ディ・モールトグラッツェ!!

 

6部があれば、またお会いしましょう!!

 

※総評記事はまた後日公開します。