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【読んだことない人へ捧ぐ】封神演義 が面白い3つの理由

封神演義

 

 

 

作品解説

1996年から2000年にかけて、週刊少年ジャンプにて連載。

西遊記」や「水滸伝」と並ぶ中国の有名古典奇書である「封神演義」を、

作者の藤崎竜が大胆な解釈と世界観でリメイクし漫画化した傑作少年漫画。

紀元前11世紀、国家が殷から周へと移り変わろうとしている中国を舞台に、

人間界で巻き起こる殷と周の戦争と革命と、

その背後で起こる、仙人たちの強大な科学力を用いた激しい戦いを描く。

 

不思議な力を持つ仙人や道士や妖怪たちが、「宝貝」と呼ばれる兵器を駆使して戦い合うバトルが中心となる、ジャンルとしてはいわゆる「能力者系バトル漫画*1」の一つだ。

 

 

あらすじ

今から3000年前の古代中国、国名は「殷」の時代。時の君主 紂王は文武共に優れた名君であり、彼が殷をさらに繫栄させることを誰もが信じて疑わなかった。しかし絶世の美女、妲己を皇后に迎えて以来、紂王は人が変わってしまう。彼女は強大な妖力を持つ邪悪な仙人だったのだ。彼女の怪しい術に惑わされ、かつての賢君は見る影も無い抜け殻になり、悪政を続ける紂王と妲己によって国は乱れに乱れた。

仙人界、崑崙山の教主 元始天尊はこの状況を打破すべく、妲己を倒し、妲己一味の悪の仙人たちを封じ込める任務を自分の弟子である太公望に命じる。しかしその裏には、単なる妲己退治ではなく、人類の存在の根幹にかかわる、遥かに大きな計画が隠されていた―――。

 

 

① 未来科学文明と古代中国文化が融合した、独特の世界観

封神演義』は3000年も前の古代中国の話だ。

当然、世界観も、まだ機械文明なんてかけらも存在しない大昔の中国がそのまま舞台になっている。

地上の人間たちが暮らす人間界は。

 

封神演義』の世界は、3000年前の中国には仙人と呼ばれる不思議な力を持つ者たちが存在し、彼らは中国の上空に空飛ぶ島々を浮かべ、そこに独自のテリトリーを築いて暮らしているという設定だが、この仙人界が現代よりもはるかに科学力が進んだ超未来的文明として描かれている。言ってしまえばSF的世界観である。

 

ロボット、人造人間、人造生物、亜空間、ウィルス、化学薬品、そういったものを惜しげもなく投入してくるし、仙人の多くは物理や化学などの現代的な科学理論をしっかりと習得している。

登場する建造物やメカや生物、登場人物たちのデザインや服装も独特で、きちんと古代中国らしい建物に暮らし、中国らしい服を着ている地上の人々とは一線を画している。

 

いや、一線を画するどころか、めちゃくちゃ奇抜。

元々、作者の藤崎竜は、かなり独特なセンスの持ち主で、

そのセンスをいかんなく発揮させてデザインされた仙人たちの見た目は、

およそ古代中国の人たちのそれとは真逆

封神演義」で画像検索して、キャラの服装を見てほしい。前知識がなかったら古代中国の話とは絶対に思わないはずだ。

 

そして、この藤崎竜の独特の近未来的なセンスと、

3000年前の古代中国の中国らしいエキゾチックな雰囲気

この2つが融合することで、この漫画でしか成しえない唯一無二の独特の世界観が生まれている。

 

この独特の世界観こそが、『封神演義』最大の魅力の一つだ。

はるか昔の中国、なのに近未来的。

この矛盾が生み出す不思議な世界観を、ぜひ体験してほしい。

 

 

② わずか23巻で綺麗に完成されたストーリー

週刊少年ジャンプ

それは、人気がなければ打ち切られ、人気があれば引き伸ばされる、

地獄の雑誌である。

 

そのシステムの仕様から、漫画家自身が自分の望む長さで、自分の望む着地点に漫画の結末を持ってくることは、ほぼ不可能だ。普通は。

 

「打ち切られるほど人気がないわけじゃないけど、ジャンプのTOP3に入るほど人気があるわけじゃない」この絶妙な状態を、何年もの連載期間ずっと維持し続けた奇跡の漫画でなければそんなことは達成できない。

 

ところが、『封神演義』はそれを成し遂げたのである。

 

しかも、最終巻で辿り着く結末に向けて、

1巻2巻からしっかりと伏線を張り巡らせている。

それをめちゃくちゃ綺麗に回収して、

あっと驚く上に誰もが納得する結末を完璧に描いている。

 

これも週刊少年ジャンプでは普通あり得ないことだ。

とりあえず10週続けることがものすごい高いハードルで、

その後も人気がなければ容赦なく打ち切られる世界にあって、

見切り発車して連載開始してから後付けで話を考えていくのが普通である。

 

俺は「後半の展開」にも「終わり方」にも物議を醸さずに、

綺麗にまとまって着地したジャンプの漫画は、

ダイの大冒険』と『封神演義』しか知らない。

23巻という丁度いい巻数で終わらせているものは、

封神演義』だけだ。*2

 

とにかく『封神演義』のストーリーは驚くほど上手に作り込まれている。

伏線の張り巡らせ方、その回収の仕方、どちらも見事だ。

16巻以降の、後半の怒涛の展開には、あっと驚かされること間違いなし。

伏線系の漫画が好きな人なら、絶対に読んでほしい一作だ。

 

 

③ 深い行動理念に裏打ちされた魅力的なキャラクターたち

封神演義』は、単純な勧善懲悪じゃない。

敵側である妲己、聞仲、申公豹、趙公明といった人物たちにもそれぞれの行動理念があり、それらが複雑に絡み合ったり、意外な形で衝突を見せたりする。

味方側の元始天尊にも様々な思惑があり、それはストーリーが進む中で少しずつ少しずつ明かされていく。

 

多様なキャラクターが持つ様々な行動理念バックストーリー信念思惑謀略、それらが生み出す一つ一つのドラマも見所だし、それらが複雑に絡み合って予想外の展開を迎えるのも、この漫画の醍醐味だ。

 

特に、主要キャラクターの大部分の思惑や信念や陰謀がぶつかって、凄まじい結末を迎える仙界大戦の最終盤、コミックス16,17巻は必見。

 

バトル漫画でありながら人物描写や関係描写は深いし複雑だ。

封神演義』が描く人間ドラマは、背筋がゾッとする面白さがある。

 

 

まとめ

SF的世界観と古代中国文化が融合した独特の世界観の中で、

伏線とその回収を23巻という丁度よさで綺麗にまとめたストーリーが、

深く描かれた多様なキャラクターたちの人間ドラマと共に展開される。

 

封神演義』、オススメです。

封神演義 完全版 全18巻 完結セット (ジャンプ・コミックス)

封神演義 完全版 全18巻 完結セット (ジャンプ・コミックス)

 

*1:火を操ったり水を操ったり、異なる超常能力を持った者同士が戦うバトル漫画のこと。

代表的な作品は『ジョジョの奇妙な冒険』『HUNTER×HUNTER』『ONE PIECE』など。

*2:ダイの大冒険』は全37巻