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【読んだことない人へ捧ぐ】るろうに剣心 が面白い3つの理由

るろうに剣心

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高校に入学したばかりの頃、剣道の選択授業があった。

 

生まれて初めて手にする竹刀を抱えながら、俺はこう思っていた。

 

牙突のポーズがしたい…!」

 

あぁ、でも、もう高校生にもなって、そんなことしてたら恥ずかしいよな…!

でも、したい!せっかくの竹刀なんだから、牙突したい!

ああー、でも他に誰もそんなことしないよな…!

 

そんなことを考えながら教室の扉をガラッと開けると

 

その場にいた同級生全員が、牙突の構えを取って遊んでいた。

 

 

 

 

あらすじ

未だ幕末の残り香が残る明治時代初期、一人の流浪の人が東京を訪れていた。名は 緋村 剣心(ひむら けんしん)。幕末には「人斬り抜刀斎」と呼ばれ恐れられ、幕府の要人を数多く暗殺した伝説の剣客だ。だが今は不殺(ころさず)の誓いを立て、人を斬れない刀「逆刃刀」を携えて人助けをする日々を過ごしていた。朗らかで争いを好まない剣心。だが、彼の願いとは裏腹に、時代の渦と邪悪な思惑が、彼を再び戦いの日々へと呼び戻すのだった———。

 

 

作品解説

1994年-1999年に週刊少年ジャンプにて連載。全28巻。

少年漫画では珍しい「明治時代」を舞台にした漫画で、

新撰組三番隊組長の斎藤一をはじめ、実在の人物も数多く登場する。

「天翔龍閃(あまかけるりゅうのひらめき)」「牙突(がとつ)」

「二重の極み(ふたえのきわみ)」など、

今も多くの人に真似される数多くの印象的な必殺技を生み出した。

2012年から、佐藤 健 主演で3作に渡って実写映画化され、大ヒット。

 

 

① 「漫画的屁理屈(ハッタリ)」の最高峰

「漫画的屁理屈」

よくよく考えると現実の物理法則を無視していたり、理屈に無理があるんだけど、パッと聞いてなんか筋が通っているように聞こえて納得してしまう、漫画の中だけで通用する理屈のこと。

 

いかにすごい漫画的キャラクターを描きたいからって、そのキャラの必殺技や強さに何の説明もなかったり、あからさまに理論に無理があったら、読んでいる子供たちは冷めてしまう。

かといって、現実の物理法則にガチガチに沿った中だけでお話を作ってしまったら、子供心をくすぐるようなすごいキャラクターは当然作れない。

子供心は案外繊細で複雑なのだ。

 

そこで登場するのが、この「漫画的屁理屈」だ。

「あの技は○○が××という仕組みで~~になっている。そして、それを可能にしているのは、奴の超人的な△△の身体能力!」

「な、なんだってー!!?」

というアレである。

 

要はハッタリだ。

面白い漫画には、上手いハッタリが欠かせない。

 

そして、『るろうに剣心』のハッタリは、全漫画史上でも最高級品だ!

 

「二重の極み(ふたえのきわみ)は、一撃目で物体の抵抗力を殺し、瞬時に二撃目を繰り出しているから物体を完全に破壊することができる」

「天翔龍閃(あまかけるりゅうのひらめき)は、剣速が余りに速すぎるため、弾かれた空気が戻ることで敵を自分へ引き寄せ、無敵の二撃目を繰り出すことができる」

「志々雄の焔霊(ほむらだま)は、ノコギリのような刀に染み込んだ人の脂を摩擦熱で燃やすことで、炎を出している」

これらの理屈を、未だに覚えている人も沢山いるだろう。

 

るろうに剣心』のハッタリは、熱すぎもせず冷めすぎもせず、

子供心をくすぐる絶妙な温度で展開されている。

 

 

② あらゆる手法を使った闘いの躍動感の演出

先日、1990年代を彩った名作の原画が展示される、

六本木のジャンプ展へ行ったときのこと。

 

そこには当然、『るろうに剣心』の原画も飾られていたのだが、

 

るろうに剣心』の原画は、そのほとんど全ての絵で、

一面に修正液の「飛沫」がブワッと飛び散らせてあった。

 

修正液の「飛沫」だけじゃない。

集中線、刀の軌跡、オーラ、擬音、

これらをものすごく上手に使って、

凄まじく迫力のある戦闘シーンに仕立て上げている。

 

漫画的屁理屈はあるものの、

剣心たちは魔法を使えるわけでもなければ

ドラゴンボールの「かめはめ波」みたいな気功波を撃てるわけでもない、

(一応)普通の人間である。

 

そんな彼らの戦闘シーンを

ドラゴンボールやワンピースに遜色ない迫力に仕立て上げているのは、

ひとえにこの演出の妙のおかげだろう。

 

試しに「るろうに剣心 戦闘」とかで検索してみるといい。

それだけでも、かなり見ごたえのある絵が並んでいる。

 

 

③ 「明治時代」という時代設定

るろうに剣心」を語る上で欠かせないのが、

この『明治時代初期』という特殊な時代設定だろう。

 

明治時代初期という、

少年漫画としては非常に珍しい時代設定にすることで生まれるプラスの効果は、

明治時代独特の懐かしい空気感を作り出せること、

明治維新直後だから起こりうる様々な問題や実際の事件を

漫画に絡めることができることもそうだが、

 

何より効果的なのは、

明治という、より僕らの現実に「近い」時代の話にすることで、

漫画の世界自体を、より「身近に」感じられるようにしたことだ。

 

真剣で戦う侍の話なんて、当然、昔から人気がある。

だが、そのほとんどが戦国時代や幕末の話であり、

ちょんまげを結った「おさむらいさん」が実在した、

僕らからは遠い遠い時代の話である。

 

でも、『るろうに剣心』は "明治" だからね!?

明治時代なんて、俺らが生まれた昭和の前が大正で、その前が明治、

大正はたった15年しかないから、昭和の前はほぼ明治だからね!?

連載当時、明治時代のおばあちゃんなんて結構まだ生きてたからね。

 

そんな時代、東京は東京と呼ばれ、洋服を着る人も多く、

ちょんまげを結ってる人もいない時代で、

ものすごく強い剣客同士が真剣で必殺技を繰り出し合って戦う。

これが実際に起こりえたかもしれない話ということが、

どれだけ子供心をくすぐることか!?

 

実際、メインキャラクターの一人である新撰組斎藤一は、

バリバリ実在の人物だしね。

 

るろうに剣心に出会った頃、俺は中学1年生だったが、

これがまた良かった。

ちょうど小学生6年生の時にひととおり日本史を習い、

江戸時代から明治時代の切り替わりに何が起こったのか、

明治維新って?文明開化って?新撰組って?幕末って?

っていうことを知識としては知った上で、

「明治時代って、こんな感じだったのか…!」

「教科書でしか知らなかったアレって、こんな問題が起こってたのか…!」

ってことを実感と共に学ぶことができた。

 

親御さん方は、小学校や中学校で歴史を習って、

幕末や明治維新に興味を持ち始めたお子様に、

この漫画を黙って差し出してみては?

 

 

まとめ 

るろうに剣心はとにかく中二病心をくすぐる漫画だ。

真似したくなる必殺技、

それっぽい理屈、

迫力ある絵、

かっこいい実在したキャラクター、

ちょうど中学生の知識で読める時代背景、

全てにおいて、中学生男子にとってパーフェクトな漫画である。

 

今だって、大人だって、もしかしたら女子だって、

読み終わったら、傘を構えてこう言いたくなるはず。

 

 

 

 

牙突!」

 

 

 

と。

 

 

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